SIDE:HARUKA
◇
眠ってしまっていたんだと朝の光を浴びて、ようやく気づいた。
見上げた天井は見覚えがあると思ったけれど、自分の寝ていたベッドのシーツの匂いで、自分の部屋ではないことにすぐ気付いた。
昨日は確か……音也くんと一緒に寝て……たくさんたくさんキスをして……それで……。
たくさんキスをして……!?
昨日の夜のことを不意に鮮明に思い出してドキドキして、自分の唇を撫でてみる。
ここに、たくさん、音也くんにキスしてもらって……。
もっとしてほしいなんてお願いを音也くんは聞いてくれて……。
自分の寝ていた向きには音也くんはいなかったから、反対側に寝ているのかなと寝返りを打ってみるけれど、もぬけの空だ。
(……また、お仕事があったのかな?)
こういうことは珍しくない。夜中のうちに連絡があったり、朝早い仕事のために、起こさないようにとこっそりと音也くんはベッドを抜け出していく。
最近はそういうことが増えた。朝に、少し無防備な音也くんの寝顔を見れたのはいつだっただろう。
昨日の事を思い出して、たくさん愛されているなと思う。自分もたくさん愛してるってそれを伝えたいと思うから素直な言葉が最近よく出てくる。
どれも甘えてしまってるだけのように思えるけれど、付き合い始めた頃よりもずっとずっと音也くんが心の中を占める割合は大きくなっていて、朝起きたら彼がいないっていう出来事だけでも寂しくなってしまう。
「春歌~」
出かけてしまったのだと勝手に思い込んでいた音也くんの声と一緒に寝室の扉が開いた。
慌てて起き上がると、扉のむこうから音也くんが顔を覗かせている。
「おはよっ、春歌。よく眠れた?」
「……う、うん。あれ、……すごく、いい匂い」
「うんっ。ほら、俺がお土産に買ってきたジャムあっただろ? あれ美味しいからやっぱりすぐに春歌に食べてほしくて。朝、ランニングついでにコンビニ寄って食パン買ってきた! で、今、バター塗ってトースト作ってるところ~!」
音也くんは、朝が強い。たまに寝坊してしまうこともあるけれど、朝はランニングを日課にしてるし、予定がある時はしっかり起きる。すっかり眠り呆けてたわたしとは大違いです……。
「お腹空いてきた?」
ぼーっとしたままのわたしに音也くんはワクワクした様子で声をかけてくれる。
「うん。お腹空いてきました……!」
「じゃあ朝ごはんにしよう!」
こっちにおいでと音也くんがわたしに手を伸ばす。
あぁ、ごはんの前に、朝の支度かな? とニコニコとした笑顔が、窓の向こうから射してくる太陽と同じように眩しい。
いつまでも、どこまでも連れて行ってほしいと伸ばした手を、大きな手が掴んでくれる。
それからぎゅっと抱きしめ合って、お互いに大好きだよと気持ちを伝えあう。
「音也くん、どこいっちゃったのかなと思っちゃいました……」
「ん……?」
音也くんの胸に顔を押し付けながら、思ったことを口にすると、なんで? と音也くんが顔を近づけてくる。
「だって起きてもそばにいるって言ってたから……」
「あーっ。あーー……あーーー……うん、言った。でもほらっ、朝起きて、眠ってる春歌を見てたんだ。可愛いなーってずっと眺めてたんだけど」
「寝顔、見てたの?」
どんな顔をしてたかわからないから、そんなに眺めないでほしいと訴えると「すごく可愛かったぁ」と音也くんはわたしの意見をさらりと受け流しながら自分の世界に入っている。
「で、春歌の寝顔をずーっと見てたの。可愛いなあ~ってさ」
「……うん……」
一体何の話だろう。ただ、彼が本当に嬉しそうに話すものだから、ついつい聞き入ってしまうし、とても照れくさく感じてしまう。
「……こんなに可愛い子が俺の彼女なんだなあ……やったー! って繰り返し考えてたら、ぐうってお腹が鳴ったんだよね」
自分自身の話になぜかうんうんと頷く音也くんの頷きにあわせて同じようになるほど、と頷きながら話に聞き入る。
「それで、春歌が起きる前に帰ってくればオッケーだよね! でジョギングついでにパンを買いに出かけたんだけど……」
「なるほど、つまり音也くんはお腹が空いてたんですね」
「まとめるとそうなっちゃうけど、簡潔にまとめすぎじゃない?」
まあ大体そんなとこーと笑いながら音也くんがぎゅーっと抱きしめてきて、なんだかごまかされてるなと思ったけれど、結局はわたしのことばかりを考えて行動に移していてくれたんだと彼の考えの中心に自分がいるのかもしれないと思ったら嬉しくなってしまった。
「やばいそろそろトースト冷めちゃうかも? 春歌、早く朝の支度しておいで」
ぎゅーっと抱きしめて拘束していたのは音也くんの方なのに、急に気づいたようにバッとわたしを解放してから、いっておいでと突然送り出されてしまった。
「準備してる間に目玉焼きも焼いちゃうけど、春歌は半熟? それも固めがいい?」
「音也くんの好みで大丈夫だよ」
「俺の好みかぁ~」
オッケーと返事が返ってきたのを確認してから洗面所に移動して、手洗い、洗顔、歯磨きに軽くメイクをして……とごはんを準備してくれている音也くんのことを考えると早くしなきゃとつい急いでしまった。
支度を終えて、いい匂いがするキッチンの方に顔を出すと、音也くんの大きな背中が見えた。
腰のあたりには紐が結ばれている。もしかしてエプロンしてる? と思って彼の隣に立って覗き込むと、音也くんが以前とある料理番組にゲストで出た時にも着けていた、腰エプロンを身に着けていた。
「おー、春歌きたー。待ってね……目玉焼きもうすぐ焼ける……」
「音也くん……エプロン姿、似合いますね」
「えっ? うん、まあ、しといたほうがいっかなーっていう……」
「かっこいいです」
「……あ、ありがとう……」
「えと、その……こんなにかっこいい人が、わたしの彼氏さんなんだなあ……と思うと、すごく嬉しいです」
自分もそう言ってもらえて嬉しかったってことをどうにか伝えたくて、そうなると、わたしも音也くんが彼氏さんでよかったなとそればかりを思うことが多いから、伝えてみる。
「ああう……ありがとう……すげぇ嬉しい~……!」
春歌っ、と感情極まったような声で音也くんから急に抱きしめられてしまって「音也くん、目玉焼きが」と伝えるけれど、聞こえていないのか「嬉しい、春歌にかっこいいって言ってもらえるとやる気でるっ」と音也くんに尻尾が生えていたのなら、振り回しているのだろうというのがわかるくらいのテンションで喜ばれてしまった。
「あ、目玉焼き」
しばらくして、嬉しかったよ! を精一杯伝え終えて一息ついた音也くんが気づいて慌ててコンロの前に立った。
「あと俺のパンは先にトースターで焼いちゃったけど、春歌の分は起きてからがいいなと思ったから今から焼かなきゃだった」
どたばたと音也くんが忙しくキッチンの中を動く姿は珍しい。
一人でお料理をしている時はそうでもないのだけれど二人でキッチンにいると緊張してなのか慌ててしまって、それを「ここやろっか」「手伝うね」「それ取ってあげる」と音也くんがフォローをいれてくれるのがいつものキッチンでの二人なのだけれど、今日は音也くんが俺に任せてとテキパキと動いている。
音也くんが必死にじゅうじゅう音を立てていた目玉焼きをフライパンから救出するのを眺めながら、キッチンカウンターに準備されていたトーストだけじゃないサラダなどの副菜もみて、これテーブルに運んでおきますねと伝えると「お願いっ」と任されて二人で慌ただしく朝食の準備を終えた。
「目玉焼き~……ちょっと焼きすぎたな」
食卓に取り皿やカトラリー、ジャムなどの調味料も運んで準備をしていると、失敗しちゃったよと悲しそうに音也くんが目玉焼きを乗せたお皿を持ってやってきた。
気にしないで、きっとおいしいよと励ますと「そうだといいけど」とやっぱり悲しそうだ。
「音也くんが準備してくれた朝ごはん、とっても楽しみです」
トーストに、サラダ、フルーツの入ったヨーグルトもある。コーヒーと紅茶、どっちがいいかなと確認されて、紅茶と答えていたからティーポットには温かい紅茶も準備されていた。
「いちごのジャムはこれですよね、開けてもいい?」
「どうぞー」
音也くんがどうしても食べて欲しがっていたジャムを手にとって、蓋を開けようとしてみるけれどビクともしなかった。
最近は簡単に開けられるジャム瓶も増えていたけれど、これは久々に硬い……。
「ふんぬう……」
気合をいれようとして変な声が出る。手を震えさせながらジャム瓶の蓋と格闘していると「あっ。ごめん見てる場合じゃなかった」と急に音也くんが手を伸ばして貸してとジャム瓶をさらって行って、あっさりと開けてしまった。
「はあっ……はあっ……ええっ……音也くんすごい、すぐ開いた……」
「うーん、これは硬かったかも。てかごめん、ジャム瓶開けようとしてる春歌、なんか面白かったからしばらく見ちゃってた」
「お、おお、面白かった?」
「うん。なんかすごい声でてたし。ふんぬ! っていつもは聞かないような声ですごい表情しててさ」
超面白かった~! と悪気なく笑っている音也くんに見られていたのだな……と思うと恥ずかしくなってしまった……。
「次からは早くにタオルとか使って開けます……」
力なく宣言すると、音也くんは「え!? どうして?」と敏感に反応した。
「別にすごい声だして、すごい表情でジャム瓶開けてもらっても俺はいいよ? むしろ見たいし」
「すごい表情をしてるのを見られるのは恥ずかしいです!」
ふーん、そっか、困ったら俺のことを呼んでねと軽く音也くんに流される。
音也くんの興味はすでに手元にあるジャムにあるようで、取り分けのために用意してきた小さなスプーンをつっこんで、春歌のトーストにもうバターは塗っちゃってあるから、あとはジャム塗っていい? と確認された。
「ぜひお願いします!」
「はーい。あ、やっぱ自分で塗ったほうがいい?」
「ううん。お任せします」
「俺に任せるといちごまみれになるよ」
頼んだ以上、もう取り返しはつかないけれど、と音也くんはジャム瓶からまだ形が残るいちごをスプーンで拾い上げてトーストの上に落とす。
普段自分が使うようなジャムとは違ってさらさらとしたフルーツソースのようなジャムだった。
ソースはこれくらいかけるのがベターと音也くんの好みなのだろう量がどんどんかけられて、用意していた小さいバターナイフで音也くんはあとはこうやってトーストに塗りたくるのがめちゃくちゃ美味しいとぺたぺた塗っていた。
「す、すごい。想像以上の量です……」
「思ってる倍以上をかける方が美味いんだってば」
はいどーぞとすっかりいちごのジャムでテカテカに仕上がってきたトーストをお皿ごと渡されて、自分だったらこうはならない……とトーストを見る。
音也くんが自分のトーストも塗り終えたあたりで、「じゃあ食べよう!」と手を合わせたのに倣って自分も手と合わせて「いただきます」と二人で声を合わせた。
音也くんによってテカテカにされたいちごのジャムトーストを食べてみる。
「……あれっ、思ったよりも甘すぎない……酸っぱさの中に甘さが追いついてきて、バターと混ざってすごくおいしい」
「でしょ! 俺はこんくらい塗った方がちょうどいいと思ったからね」
「……ええ、美味しい……」
一口、二口と甘すぎるんじゃないかと想像していたいちごのジャムトーストはちょうどいい塩梅で本当に美味しかった。
音也くんは自分じゃ見つけることができないバランスや食べ方を知ってるなあ……と一人じゃ絶対にしないことをやって、体験させてくれる。
「まあこんな塗り方、怒られるって思うけどさ~」
「ううんっ。すごく美味しい。今度自分でもやってみます!」
今度から朝ごはんにトーストを準備する時は今日、音也くんに教えてもらったことを試してみよう。
「ふふ。これからは朝が毎日楽しみになりそうです」
ここ最近は、仕事でうまくいかないことが多くて朝は憂鬱だった。でも、朝にこうして美味しいって思えるごはんを用意して楽しんで、それから仕事に臨めば詰まってしまっていたことも緩やかに流れていくかもしれない。
「……春歌は、俺がこうしてるってこと、ぜーんぶ素直に受け入れてくれるよね~……」
「? 音也くんが教えてくれることはとっても新鮮で、マネしてみたいなーって思うことばかりです」
「そう? 俺のすることって大体の人には、何それ~とか、やめなさいとか、止められること多かったりしてさ」
春歌と出会ったばかりの頃はそういうことがやっぱり多かったと珍しく言葉少なに音也くんは教えてくれた。
今は「俺」がどんな人間か知ってくれている人たちも増えているから、そのまま受け入れてくれる人も多くなってきたとは思うけれど、それでも最初に出会った頃にいきなり受け入れてくれたのは春歌が一番最初だった気がする、とぽつりぽつりと言葉を続ける。
そうして、音也くんはさっきまでがじがじと必死にトーストをかじっていたけれど、うーん、と動かしていた口を止めてどこか悩ましげだ。
「それに、最近の春歌はすごく……甘えん坊っていうかそんなとこあるなって」
「あま……甘えん坊っ?」
「うん。あ、全然悪い意味じゃないよ。春歌、なんていうか付き合う前も付き合ってからも、遠慮してるのかなって思うところもあって」
遠慮という言葉が音也くんから出てきて、思い当たることがある。
何しろ友達付き合いも、まともにしてこなかったのだから、友人関係からパートナーという関係に、そして恋人同士になってどこまで何を彼に見せたらいいのかがわからなかった。
でもこのところは、音也くんに甘えてしまっていいのかなって思って、自分の伝えたいこと、何を考えているのかをごまかすことなく、こうしたいという希望を伝えていた気がする。
そうしようと決めたわけでもなんでもなくて、ただ、自然とそうなっていったというべきか、彼に頼ってもいいのかもしれないという甘えが出ているという自覚は、正直ある。
思い返してみれば甘えようとしたわけではないにしろ、昨日の夜から今朝にかけて、してほしいことをたくさん伝えてしまったなと思った。
もしかしたら踏み入りすぎてしまって、音也くんの負担になってしまったのかなと焦って「あの」と言い訳をしようとしたところで音也くんから「俺はね」と切り出されて、彼の話に耳を傾けた。
「春歌の前だったら、素の自分をすべて曝け出して見せられると思ったんだ。今までなんとなくでも嫌われたくないからって人当たりよく作り物みたいに接してたところもあったのに、春歌の前だと俺はありのままの俺でいられる。好かれるための俺になるんじゃなくて、ただの俺を知ってもらって好きになってほしいって、そう思えたんだよね」
そんなことを思ったのは春歌が初めてで、もしかしたらこれが恋なのかもって思ったらすごくドキドキしたと音也くんは微笑んだ。
「それでー……その、俺、好きな人にはめちゃくちゃ甘えちゃうとこあるから。ありのままの俺でもいいんだって思ったら、特に春歌はわかってると思うけど、なんかもう甘えちゃうんだよね……春歌も俺のこと甘やかすの上手じゃん」
「……そ、そうかな?」
「そうだよ~。だから、おっ、春歌、俺に甘えてるのかな……って思う時があると、甘えてくれるくらいに俺のこと好きになってくれてるのかなとか、都合よく考えちゃうことある」
勘違いかもだったら恥ずかしいけど、と音也くんは言うけれど、それは決して勘違いではないということを説明したくなってしまう。
「……その、最近、わたしも、そうだなって思うことがあります。音也くんから好きだって伝えてもらって……音也くんが好きなわたしって何だろうって最初の頃は考えてたんです」
そうなの? と自分の告白がそんなことを考えさせていたなんて思いもしなかったというように、音也くんは、今度は驚いている。
「……音也くんが好きなわたしでいられるようにしなきゃって思ってた時もあって……あれをしたら嫌われちゃうかな、こんなわたしだけど好きなままでいてくれるかなって。色々悩んでたけれど、わかったんです。音也くんがありのままを見せてくれてるってわかるから、そうしたありのままを見せてくれる音也くんが大好きで、できたらわたしも、ありのままのわたしを見てもらって、それで好きになってほしいなって」
音楽のことが大好きなわたしのことも、それで見境がなくなってしまうわたしのことも、音也くんが思ってるよりもしっかり者ではない自分のことも、ジャム瓶を開ける時には変な声も表情もするし、ダメなところは頑張って直していくけれど、ツギハギして見繕ってしまう時もあるけれど、できたら強さも弱さも全て分け合っていきたいってそう思う。
「だ、だから……本当のわたしは、もっと甘えたいといいますか……お風呂も一緒に入りたいっていうかもですし……音也くんのごはんを食べたいとお願いするかもですし……か、髪も乾かしてもらえて嬉しかったからまたお願いするかも……そ、それに、キキキスもしてなかったらしたいよってこれからも言うかもしれません」
「……」
しばらく何も言わなくなってしまってる音也くんに気づいていたけれど、でもこれだけは伝えておきたいなと勇気を振り絞ってから「だからその、これからもよろしくお願いいたします……」と不束者ですが、と頭を下げると、なぜか音也くんも「あっいえいえ……」と恐縮したように頭を下げて二人でぺこぺこしてから同じタイミングで顔をあげて目があって何だかおかしくなって、笑ってしまった。
それからゆっくりと食事をしながら、心に余裕ができたこともあってか仕事の相談も音也くんに何となく乗ってもらったりもして、胸のつかえが取れてきた。
今日一日のお互いのスケジュールをあらためて確認してみるとやっぱり忙しい。
でもそれは、二人が目指した夢なのだから嬉しい悲鳴のようなものだ。お互いそれは理解しているから、仕事も二人の時間も大切にしようと考えているのはわかっている。
やがて、ごちそうさまと食事を終えて、二人で手を合わせた。
「は~るか」
いつもよりも弾むような声で音也くんに名前を呼ばれて彼を見ると、とても穏やかな表情をしていた。
「また、こうやって二人で一緒に朝ごはんを食べよう。困ったことがあったり疲れちゃったりしたら、二人で一緒に悩んだり、お互い甘やかそう」
「……はいっ」
「それで、たくさんキスしよう? 今度はまだしてないですって言われないようにするね」
「それはっ……」
それは……別に、その、必ずそうしなければならないというわけではなくっ……と恥ずかしさのあまり言い訳をしてると、「でも、しないと寂しくなっちゃうんじゃないの?」とからかわれて抵抗するのをやめて素直に「それはそうですけど」と観念したところで二人の間にあったテーブルを軽々と飛び越えてまで顔を近づけてきた音也くんにキスをされる。
「今日はまだしてなかったから」
えへへっ、有言実行、早速してみましたという音也くんに驚きながらも、感じたことをそのまま伝える。
「いちごの甘い匂いがします」
「うん、いちごの甘い味がする」
お互いに口にしていたジャムの味の感想を言い合いながら、まだ少し足りなかったかもしれないキスを続けた。

たかさか
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